日経225オプションは売りの勝率が非常に高く、買いの勝率が非常に低い投資です。常に証拠金とにらめっこしながら利確と損切のタイミングを見極めていかねばなりません。

売りの勝率が高いといって安易な裸売り(ヘッジなしのオプション売り)を繰り返していると、1年に数回はある急落・暴騰局面で必ず痛い目を見ます。

特に残存日数の長い限月のプットを売った場合、それはそれは恐ろしいことになります。

今回はオプションの恐ろしさを感じていただくために、2018年12月に、2019年の2限月に対してショートストラングルを仕掛けたと想定してその含み損益の推移を見てみたいと思います。

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2018年12月~2019年1月の日経の動き

2018年12月は、その年1番の急落局面がありました。8営業日で3,000円ほどの急落です。

リーマンショックと比べるとかわいいものですが、オプションはこれくらいの急落で爆死することがあります。

まずは日経の動きから見てみましょう。

チャートから見ると読み取りづらいかもしれませんが、2018年12月~2019年1月の2か月間で上下の値幅は約4,000円です。

オプションのIVも急落開始から常時20%を超え、最大40%近くまで上昇する局面がありました。

大きく動いたのは、2018年12限月のSQ日である12月14日あたりからです。

今回は、その前日(12月13日)の終値で以下のショートストラングルを組んだと想定して、含み損益を見ていきたいと思います。プレミアムは当時の価額です。

  • コール24000:37円1枚売り
  • プット18000:51円1枚売り
  • 日経終値:21816.19円(12月13日)

満期日にどちらもイン・ザ・マネーになっていなければ(37 + 51)×1000 = 88,000円の利益となります。200万円の入金で月利4.4%となります。

まぁ、実際にこんなポジションを組むオプショントレーダーなぞいないんですが、今回は教訓用なのであくまで想定ということで。

2019年2限月なので、SQ日までは2ヶ月ほどあります。そのタイミングでコールはATMより約2,200円アウト側、プットは4,000円近くアウト側、となっています。

証拠金は100万円を上まわらないと考えられますので(当時のSPAN証拠金から予想して)、200万円の入金を仮定すると、月利(4.4%)はかなり良いということになりますね。

2018年全体の日経チャートを見ると、2か月後に4,000円も下がるとはちょっと考えにくかったんですが、あっさり8営業日で19,000円を割ってきました。

さて、そんな想定外(?)のことが起こるとショートストラングルポジションはいったいどうなってしまうのでしょうか。見ていきたいと思います。

2019年2限月コールの動き

まずコール側から見ていきます。チャートは以下の通りです。

コールは2018年12月13日の終値で37円でした。残存日数が2ヶ月もありますので、ATMから2,000円ほどアウト側のコールでもそこそこのプレミアムです(当時のIVは約18%)。

日経はポジションを組んだ直後から急落開始となりましたので、コールのプレミアムは危なげなく下がっていっています。

12月25日の終値が6円ですので、その時点での含み損益はプラス31円となっています。

  • (12月25日)コール24000売り:37→6円(+31,000円)

そこからさらに1ヶ月保有したとして、2019年1月25日時点のプレミアムが1円です。

  • (1月25日)コール24000売り:37→1円(+36,000円)

ここまでくると、2月初旬のSQ日でコールポジションが負けることはほぼないでしょう。オプション売りの勝利です。

2019年2限月プットの動き

さて、ここからが肝心のプットです。まずチャートはこちら。

いや~、とんでもないことになっていますね。

2018年12月13日終値のプット18000をプレミアム51円で売り、7営業日後の12月25日の終値が驚愕の535円です。

なんと7営業日で10倍!!!

あな恐ろしや、225オプション。爆死とはこういうことをいうのですね。

もし、もしもですよ、このポジションをこの時点で保有していたら、含み損益は以下となります。

  • (12月25日)プット18000売り:51→535円(-484,000円)

コール側で+31,000円の含み益がありますが、屁のツッパリにもなっていませんね。トータルでマイナス453,000円の含み損です。

200万円の入金に対して、約25%の含み損です。もしここまで持っていたら損切りするほかありませんが(普通はプレミアム100円までに損切りします)、そこは225オプション、悪魔のささやきが・・・。

そのまま持っとけば?

どうなるんでしょう。プット18000円に「イン」したらマイナス50万どころでは済まないですが、目をつぶってさらに1ヶ月保有すると・・・。

2019年1月25日終値はなんと3円!!含み損益は以下となります。

  • (1月25日)プット18000売り:51→3円(+48,000円)

コールと合わせると合計でプラス84,000円で大勝利となります(SQ日まで持たずに決済した場合です)。

まぁ、そんなことほぼあり得ないんですけどね。

最大含み損益は?

オプションは必ず逆指値設定して万が一の場合に自動で損切りすべきですから、上記のプットが500円を超えるまで持っているトレーダーは早晩退場となります。

2018年12月13日に上記のショートストラングルポジションを組んだ人で、2019年1月25日までポジションを引っ張れるのは、「そのポジションを組んだことを忘れていた人」だけですから(笑)。

急落からさらに1ヶ月持っていれば勝利なったというのは単なる結果論にすぎません。「こういうこともある」というだけの話です。

オプションのプレミアムは先物や個別株とは全く異なるパラメータで動きますので、勝率だけに寄りかかって安易に(ヘッジをかけずに)売りポジションを組むと一発退場となりかねません。

必ず逆指値設定し、かつ「買い」のポジションを組み合わせることでリスクを低減することができます。

ちなみに上記のショートストラングルの含み損が最大となったのは、2018年12月26日の場中です。プレミアムは以下の通りです。

  • (12月26日)コール24000売り:37→安値6円(+31,000円)
  • (12月26日)プット18000売り:51→高値605円(-554,000円)

トータルでマイナス523,000円となっております。

さて、あなたはこの含み損にじっと耐えることができますか?この瞬間の日経の安値は18948.58円で、プットポジションまで1,000円を切っています(しかも残存日数が1ヶ月以上)。

か・な・ら・ず、ヘッジして臨みましょう。楽しいオプションライフのために!

その他の225オプション解説は以下の通りです。用語から知りたい方は第1回からお読みください。