日経225オプション解説シリーズ第9回です。オプションは基本的に「売り」の勝率が高く、「買い」の勝率が低い金融商品です。

この「売りの勝率が」90%くらいあるのでコンスタントに利益を上げやすい反面、一回の負けですべてを失う可能性のあるハイリスク・ハイリターン投資(投機)となります。

そこでどのようにリスクヘッジしながら進めるか、という戦略が重要になってきます。今回はプレミアムが大きく減少し始める「SQ日2週間前」を例に、ヘッジ戦略について解説したいと思います。

本記事執筆時点(2018年7月30日)では、オプション8月限が期近で、SQ日(満期日)は8月10日(金)となっています。SQ日まで2週間を切ったところですね。

この時点でのATMは22750であり、各権利行使価額のプレミアムは以下のようになっています。

コール権利行使
価額
プット
プレミアムプレミアム
124500 
124375 
224250 
224125 
324000 
523875 
723750 
1223625 
1523500 
2523375 
4023250 
6023125 
8723000395
13022875350
18522750(ATM)310
25022625230
32522500185
 22375145
 22250110
 2212587
 2200070
 2187555
 2175052
 2162538
 2150032
 2137525
 2125021
 2112520
 2100016
 2087514
 2075011
 2062510
 205008
 203757
 202506
 201256
 200006
 198755
 197504
 196254
 195003

SQ日2週間目なのでさすがにプレミアムは安くなっていますね。またATMのIVは約13%程度ですので、相場は盛り上がっているとはいえません。プレミアムが安いのは仕方ないと言えます。

さて、ここからの戦略ですが、基本的にIVが低い時に売りで参戦するのはあまりよろしくありません。だがしかし、最近のIVを見てるとずっと低空飛行なので、これではオプションの売買はできないことになります。

そこで今回は無理やり、もといリスクヘッジしながらチャレンジする方法について概説します。要するにリスクは高いけどこれならやってもいい、でも相場が大きく動いたらちゃんと損切りしてよね、という戦略です(笑)。

まず本記事執筆時点での日経の日足はこちら。

現在値22,712円。直近安値は7月初旬の21,462円となっています。本日は7月30日土曜。SQ日である8月10日金曜まであと10営業日あります。

つまりローソク足があと10本追加されるという状況で、日経がいくらになっているか予想するわけですね。オプションの「売り」なら、「SQ日に日経がいくらになっていないか」を予想することになります。

上の日経225日足を見て、10営業日後の寄り付きの値(SQ値)はいくらになっていると思いますか?

正確な答えは「わかりません」ですが、何事も絶対はない、という相場の中で、高確率でこうなる(あるいはならない)ということを想像して売買するのが投機ですよね。

日経チャートを見ると、ほとんどの人が、「10営業日後に20,000円を割っている可能性は低い」と思いますよね(グラフの表示範囲以下です)。同様に、24,000円を超えている可能性も低い、と言えます。

ということで以下のショートストラングルを組むことにしましょう。

  • コール24500:1円1枚売り(証拠金109,200円)
  • プット20000:6円1枚売り(証拠金45,400円)

満期日にどちらもイン・ザ・マネーになっていなければ(1 + 6)×1000 = 7,000円の利益となります。必要証拠金は154,600円です。100万円の入金で月利0.7%となります。

証拠金は15万ちょっとなんだから、20万の入金で月利3.5%になるじゃん、と思ったあなた、オプションをナメると即死しますよ(笑)。

実際に20,000円まで暴落しなくても、一日で1,000円とか下がると証拠金がドカンと上がりますし、含み損が膨らんですぐに証拠金オーバーで追証を食らいます。

私の感覚では、ショートストラングル1セットで最低50万、より安全に運用するには100万以上の入金をお勧めします。

7,000円がショボいと感じる強者のために、もう一つアグレッシブなポジションを。

  • コール23750:7円1枚売り(証拠金292,600円)
  • プット21000:16円1枚売り(証拠金105,900円)

満期日にどちらもイン・ザ・マネーになっていなければ(7 + 16)×1000 = 23,000円の利益となります。必要証拠金は398,500円です。100万円の入金で月利2.3%となります。

あと10営業日で、日経が1,000円上がったり、2,700円下がったりするわけがない!と強く信じられるなら上記ショートストラングルを組んでもいいですが(私はやりませんけども)、勝率は90%以上でも10%くらいの確立で爆死するでしょう。

より危険なのはプット側ですが、コールも数年に1回くらいは大暴騰でオプショントレーダーが死んでますので、何事にもリスクヘッジが大事となります。

そこで上記ポジションを組むと同時に、アウト側のロングストラングルを組みます。例えば以下のような。

  • コール24000:3円1枚買い
  • プット20500:8円1枚買い

合計で11,000円の支払いとなり、利益が半分くらい(12,000円)になりますが、最大損失はコール側で25万円、プット側で50万円となり(売りと買いの権利行使価額の差分)、100万円の入金なら少なくとも退場は免れますね。

それなら合計12,000円狙いのショートストラングルだけでいいじゃん!と思ったあなた、死にますよ(笑)。

ショートストラングルは、コールとプットの売りなので、お互いがヘッジの役割を担っていますが、有効なのは日経の変動が小さい時のみです。大暴落、大暴騰するとIVがドカンと上がってプレミアムが増大し、含み損もドカンと増えることになります。

しかも損失は無限大です。あな恐ろしや、日経225オプション・・・。

ということで安易なショートストラングルの連発は身を滅ぼしますので、必ず有効なヘッジを建てましょう。ポイントは以下の通りとなります。

  • 極めて安全と思われる権利行使価額のショートストラングルを組む(月利1%でも十分です)
  • アウト側のロングストラングルで挟む(挟んだことで月利が0.5%になっても損失限定を取るべし)

このポジションはショートストラングルをロングストラングルで挟んだポジションですが、コールスプレッドとプットスプレッドを同時に建てるのと同じポジションです。

日経225オプションは売りがメインの戦略となりますが、無限に損失が拡大するリスクがありますので必ずやヘッジをかけて挑むのが肝要です。

暴落にはくれぐれも気を付けて、楽しいオプションライフを!(私まだ再開できませんけど・・・)

その他の225オプション解説は以下の通りです。用語から知りたい方は第1回からどうぞ。