現在相関ペアスワップ運用を積立で行っていますが、これは為替変動の影響を受けるため(しかも結構な度合いで・・)、その影響を全く受けない異業者での同通貨両建ての運用を開始しました。簡単な戦略、注意点、実際の運用状況について紹介します。
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FXにおける異業者両建てとは
異業者両建てとは、異なるFX業者で同じ通貨の売りと買いを同通貨数保有するというものです。スワップはFX業者によって異なるため、ある業者での買いスワップが、別の業者での売りスワップの絶対値を上回れば、為替変動の影響を全く受けずに毎日スワップ(の差分)を受け取ることができます。
先週から南アフリカランド/円(ZAR/JPY)異業者両建てを開始しています。GMOクリック証券のくりっく365で買建て、DMM FXで売建てています。
それぞれのスワップは以下の通りです。
- GMOクリック証券(くりっく365):170円(買いスワップ)
- DMM FX:-110円(売りスワップ)
スワップは10万通貨あたりです。証拠金はどちらもおよそ34,000円です。それぞれ10万通貨ずつ保有すると、1日あたり60円のスワップを得ることができます。
同通貨の売りと買いを保有することになるので、円安になろうが円高になろうが為替変動による損益は相殺されます。スワップのみを受け取ることができるまさに究極のローリスク運用になります。
DMM FXは、買と売りのスワップが同額(片方はマイナス)であり、現在南アフリカランドの売りスワップは業界最高水準の安さとなっております。
ノーリスクでヒロセ通商Lion FXでのニュージーランドドルと同額のスワップがもらえます。これはすごいことですね。
異業者両建ての注意点
異業者両建てはローリスクでスワップ運用ができますが、いくつかの注意点(リスク)があります。同通貨を両建てているということは、一方が含み益になるともう一方が必ず同額の含み損となりますので、定期的なメンテナンスが必要になります。
資金移動
したがって一方の証拠金維持率が上がり、もう一方が下がることになりますので、為替変動が大きくなると一方の口座でロスカットされる可能性が生じるのですね。
このリスクを回避するために、あらかじめ両方の口座に十分な資金を入金しておき、定期的に含み益が生じた口座から含み損が生じた口座へ資金移動する必要があります。
注意点としては、入金はクイック入金を利用すれば即座に証拠金として反映されますが(クイック入金可能な業者の場合)、出金は通常翌日か2日後になりますので入金用口座に余裕資金を準備しておく必要があります。
今回の場合は、それぞれの口座に10万円ずつ入金し、さらに口座に10万円用意して資金移動に備えました。
急激な変動に備える
それでもリスクは残ります。入金額が10万円だと、証拠金が34,000円ですので、0.66円の円高でロスカットされてしまいます。
南アフリカランドの変動幅を考えると1日で動いてしまう可能性があるため、片方の口座だけロスカットされ、その後すぐに戻したりすると大きく損失を被ることになります。
メールアラートを設定するなどして、迅速に対応できるようにするか、もう少し入金額を増やすかして備える必要があります。
私の場合は、0.3円の変動でアラート設定し、スマホで入金できるようにしています。
スワップの変動
上記の2社ではスワップの差が60円と非常に大きな値となっているため運用を開始しましたが、このスワップ差がずっと続くはずもなく、いつかは運用を終了する日がやってきます(すぐかもしれません)。
GMOクリック証券のくりっく365では、南アフリカランドのスワップポイントが、これまで約150円だったのが、GW明けあたりから約170円にアップしていましたので妙味があると判断し、参戦することにしました。
ただ、為替変動リスクはほとんどゼロ(急激な変動を除く)ですので、南アフリカランド以外でも業者間のスワップポイントの差が大きい通貨があれば、積極的に参戦しようと思います。
スプレッドコスト
南アフリカランドはスワップが大きい分、スプレッドも広いですね。これが初期コストとなりますので、回収までの期間を考える必要があります。
それぞれのスプレッドコストは以下の通りとなります。
- GMOクリック証券(くりっく365):500円
- DMM FX:1400円
- 合計:1900円
スプレッドコストが結構高いですね。1日60円のスワップが得られますので、この初期コストを回収するのに31.6日、つまり約1ヶ月耐えなければプラス運用にはなりません。
今回はこれを避けるために少しリスクを取りました。参戦したのは5月15日で、南アフリカランドは直前の下げから戻り基調であったため、まずくりっく365でZAR/JPYを10万通貨買建て、翌日に持ち越しました。
翌日、含み益が2,500円になった時点でDMM FXにて同通貨を10万通貨売り建て、損益をプラス1,000円程度に固定することに成功しました。
この方法はいきなりプラスでスタートすることができるため、成功すれば非常に気分がいい(笑)のですが、失敗すればより長い期間耐えるか、すぐにロスカットになります。
1ヶ月耐えるのはしんどいかもしれませんが、やはり同時に建てる方がよいでしょう(今回はかなり自信があったため、買いから参戦しました)。
利回り
さて、利回りがどのくらいになるのかは気になりますね。上述したように、各口座に10万円入金して運用しています。資金移動用にさらに10万円用意していますので、拘束資金としては30万円になります。これを投資額とします。
1日あたり60円のスワップが得られますので、年間21,900円の利益となります。したがって利回りは21,900/300,000×100 = 7.3 % となります。
この利回りが為替変動の影響を受けずに得られるのですから、うまく運用すれば確実に資産を増やすことができます。くれぐれも口座のメンテナンスと急激な変動リスクを忘れずに、余裕をもって運用したいところですね。
さて、じっくりと長期運用したいと思います。