住宅の購入には、非常に大きな覚悟と決断が必要ですね。一般サラリーマンがキャッシュで購入できる場合はほとんどありません。

つまりローンを組んで購入するため、返済できるかどうかの不安を乗り越える覚悟と、最終的にローン借入書にサインする決断が求められます。

結論からいいますと、「不安が消えることはない」と思います。身も蓋もないですが、これが真実ではないかと思います。

最大35年の返済期間の間、何事も起こらず順調に返済できる保証はどこにもありません。だから不安なのですね。賃貸で暮らせばその不安はありません。

賃貸には賃貸のいいところがあります。「購入」か「賃貸」のどちらが良いのか、については多くの考察がありますが、私は「本人とその家族の好きにすればよい」と思いますので、世帯収入とライフプランを考えて決めればよいと思います。

私は自分の望む家で暮らしたかったので、2年前に注文住宅を購入しました。

購入前に1年分の家計簿をつけ、購入シミュレーションを繰り返して最適(と思われる)な資金配分を割り出してから購入を決断し、そして購入後ももれなく家計管理を続けて返済状況を検証しています。

現在のところ問題なく収支は推移しており、その中で、安定してローン返済をするための支出配分なるものが見えてきましたので、まとめたいと思います。

あくまで個人的所感ですので、これから住宅購入を考えておられる方の参考になれば幸いです。ちなみに私は「石橋をたたきまくってなお渡るかどうか迷う」ほどの慎重派ですので、かなりキツめの目安になっているかもしれません。

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収入、貯金、返済の配分

一般に住宅ローンの返済額は「年収の25%まで」が目安、と言われていますが、比較的安心して返済できる、ということを念頭に考えるとこれは少し厳しいのではないかと思います。

私の「安心感」の目安では、返済額は「手取りの25%以内」です。「額面年収」ではなく「手取り年収」です。

例えば、手取り年収が400万円のサラリーマンなら、年間返済額の目安は100万円以下、となります。手取り600万円なら150万円ですね。

この割合なら安心ですよ、と言っているのではありません。もう一つ重要なことがあります。

それは「貯金額」です。貯金なしでも返済できているのならいいじゃん、と思っているなら住宅購入はやめた方がいい、と言わざるを得ません。それは危機管理能力の欠如です。

貯金額の目安は同じく「手取り年収の25%」です。手取り年収が400万円のサラリーマンなら年間100万円を貯金すべし、ということですね。

ここから生活費を逆算すると、「手取り年収の50%」になりますね。

一旦まとめると以下のようになります。

  • 「手取り年収」の半分で生活する
  • 「手取り年収」の4分の1を貯金する
  • 「手取り年収」の4分の1をローン返済にあてる

これは私が住宅購入する際にシミュレーションしまくって出した一つの「黄金律」です(笑)。

まだ返済期間は1年半ほどですが、現時点で間違っていないと確信しています(もちろんこれも個人的所感です)。

これを住宅購入前の状況で考えると、手取り年収の半分を貯金できる状態になってから購入すべし、ということになります。これは相当ハードルが高いと思いますが、私の感覚で「精神的にも安定して返済生活を送る」ためのラインだと考えています。

手取り年収の半分を貯金できているなら、さらにその半分の返済ならまず余裕、ということになります。返済しながら貯金もできているわけですから、途中で何かあっても現金があることになり、繰り上げ返済も可能ですね。

まず、「住宅購入後にこの配分でローン返済する」ことをベースに、以下の購入準備とシミュレーションをしていきます。

返済開始の段階で残しておく現金の目安

まぁこれは人それぞれなのですが(配偶者の年収や子供の数にもよります)、一般的に言われている目安が、サラリーマンなら「年収の半年分」。です。年収400万円なら200万円ですね。

私はここも少しキツめに「手取り年収分(1年分)」としたいと思います。まぁこれだけあればかなり安心ですかね。

つまり住宅購入前に貯金していた額から頭金を引いて、手取り年収分は残っている状況、で返済開始となります。

私の場合は手取りの1年分としましたが、ここは多ければ多いほどリスクが下がるところですので、自分の世帯状況およびライフプランを考えて設定すべきところです。

ちなみに私の場合、きっちり1年分残してスタートする予定でシミュレーションしました。

購入可能額のシミュレーション

さて、ここまで決めれば、可能な最大購入額が算出できます。ここでは例として、手取り世帯年収400万円、固定金利1.5%(元利均等返済)、返済期間35年とします。

上記の配分で考えると、毎年の返済額は手取り年収の25%なので100万円です。さらに返済開始の段階で、手取りの1年分である400万円を貯金している状況が理想ということになります。

さて、年間100万円の返済を35年続ける場合の借入可能額は、2,600万円です(多くの銀行のサイトでシミュレーションできますが、手動入力で逆算する必要があります)。

返済額は3,500万円なので、利子が900万円になりますね。やはり住宅購入はお金がかかります。それでもほしいから買うわけですが。

借りられる額が決まりしたので、あとは頭金にいくら入れるか、となります。購入前の貯金が600万円の家庭なら、200万円を頭金として、合計2800万円の住宅を購入し、貯金400万円でスタートして毎年100万円貯金が増えていく、ということになります。

もう一つの例として、手取り世帯年収600万円、固定金利1.5%(元利均等返済)、返済期間35年の場合を考えます。住宅購入前の貯金は1,000万円とします。

手取り年収1年分の600万円を残しておきたいので、頭金は400万円です。年間返済額は150万円ですから、この条件で借りることができるのは約3900万円です。

頭金と合わせて4,300万円の住宅を購入することができ、ローンを毎年150万円返済し、さらに貯金が150万円増えていく計算ですね。

何度も言いますが、上記のシミュレーションは一般に銀行と相談して言われる配分よりかなり厳しめ(つまりよりリスクは低い)です。

ここからさらに石橋をたたきます(笑)。

「保険」をかけておく

ここでいう「保険」とは、生命保険や医療保険、さらには住宅ローン保証のことではありません。より安心を得るための施策、ということです。

それは、「夫婦共働きだが、どちらか一方のみの収入でシミュレーションする」ことです。上記の配分はそこそこリスクが低めだと思いますが、これでリスクはさらに下がります。

パートナーが途中で専業主婦(夫)になっても問題ありません。ただ今の日本の経済状況やその他のリスクなどを考えると、特に若い世代は共働きであるほうがリスクヘッジとなり、返済に有利であることは間違いありません。

自身の将来の収入予想やライフプランを鑑みて決めればよいと思います。

まとめ

住宅購入における「安心の返済シミュレーション」について、かなり厳しめの個人的所感のみでまとめました。

「毎年の返済額を手取り年収の4分の1」にし、同額の貯金をしながらローン返済をするという状況を作り出し、キャッシュフローをスムーズに行えるように計画します。

上記のシミュレーションだと、ざっくり言えば「毎年減っていく借金の額と同額を貯金できる」わけですから(実際には金利があるので同額ではありませんが)、借入期間の半分が経過した段階で、貯金を全額突っ込めば完済できる、ということになります。

35年ローンなら17,18年で完済できるということですね。実際にはその瞬間貯金ゼロになりますから全額返済はしないにしても、「いつでも借金ゼロにできる」はかなりの安心感につながります。それまでにも可能なら繰り上げ返済をしていきましょう。

住宅ローンの繰り上げ返済は、最大の節約です。最終返済額を100万円単位で減らすことになります。

「住宅ローン控除」の額、貯金額および残りの返済期間を考慮して、繰り上げ返済を行うと良いでしょう。繰り上げ返済の際には、返済額は変えずに返済期間を短縮する方式をお勧めします。

「借金のある状態」からなるべく早く脱出したいですからね(笑)。繰り上げ返済は正義です。

住宅ローンはサラリーマンにとっておそらく最大の借金です。生半可な覚悟では不安で借りられません(笑)。まずは自分の家計を洗い出し、年間生活費を算出するところから始めてみてはいかがでしょうか。

生活費を把握できれば、下記記事のようにシミュレーションすることで、自身のライフプランの設計、見直しが可能になります。

また、この「黄金律」で、固定金利でどれだけ借りられるかシミュレーションした記事はこちら。

さらに、金利に関する注意点をまとめました。

これから住宅購入を考えておられる方の参考になれば幸いです。