投資は順調ですか?
あなたが裁量トレーダーなら、月ベースでプラス基調、年ベースでプラスキープできているなら順調ですよね。
これを数年にわたって維持できているなら、金額次第であなたはプロのトレーダーになれます。専業になっても成功するでしょう。でもそんなことができるのは一握りのスーパートレーダーであり、ほとんどの人にはできません。
私もそうです。裁量トレードの才能がないことが嫌というほど結果に表れているにもかかわらず、やめられませんでした。その結果、高級時計がいくつも買えるくらいの資産を溶かし、仕事にも悪影響が出るまでに至りました。
そこでようやく気付いたのです。私は天才ではないと(だいぶ遅かったけど)。
何もトレーダーとして生計を立てようと思っている人ばかりではないでしょう。私もサラリーマンとして充実した日々を送りながら、お金持ちにもなりたかったので始めたのです。
ところがトレードは面白すぎた。ハマってしまった。やめられなかったんです。
今回は、私が裁量トレードを完全にあきらめるまでの経緯と、それに代わる「積立投資」に目覚める(笑)までの道のりを紹介したいと思います。
投資に悩む方(特にサラリーマン)の参考になれば幸いです。
目次
裁量トレードをあきらめるまでに経験した投資商品
トレードの種類にはいろいろあります。デイトレード、スイングトレード、配当や優待狙いの長期トレードなど。商品もこれまたいろいろで、株、FX、先物、オプション、バイナリーFXなどがありますね。
私は今あげたすべての投資対象で裁量トレードを行い、すべてで負けています。投資経験期間は約7年間です。
最初に参画したのは「株」でした。今から思えばそれが悪夢の始まりとも知らず、のめり込んでしまいましたね。
株式投資

10年近く前に知人がやっていたのを知って興味をもち、SBI証券に口座を開いて売買を始めました。最初の入金額は30万円だったと思います。
その友人がやっていたのは社内のストックオプションで長期積立だったのですが、私は口座を開いた時から本を買いあさり猛勉強(?)して「スイングトレード」を始めてしまったのです。
割と事前に入念調査し、形から入るタイプでしたので、チャートの見方やエントリーの仕方などかなり勉強してから参戦しました。その結果・・・
トレードめちゃくちゃ面白いやんけ
となったのです。サラリーマンでしたので場中は保有株式の含み損益を見れませんでしたが、毎晩PCでチェックしては一喜一憂してました。含み益の場合には赤字で表示されるのですが、それ見て大興奮!(笑)
もちろん含み損の時は落ち込みましたね。最初の決済は損切りでした。その後、スイングトレードでは一度もプラスになることなく、ただひたすら損切りするだけの日々、なぜなら・・・
いつどこで利益確定していいのかわからない
からです。含み益はニヤニヤしてみるだけ。それが含み損になるとあわてて損切り。これの繰り返し。ビギナーズラックもなく、30万円が半年ほどで20万円以下になったのを覚えています。
それから約1年ちょっと続けましたが、結局プラスになることはありませんでした。以下のことをひたすら続けるのみでした。
- 毎晩有力銘柄を探してチャートを見ては、エントリーポイントを探す
- ただし、ポジポジ病にかかっているので、利確や損切りポイントを決めずになんとなくエントリー
- 一応結果をノートに記入していたが、適当売買(ほぼ損切り)なのでまったく役に立たず
- 有料チャート分析ソフトをいくつも買い、ちょっとレベルアップした気になる(実際にはど素人のまま)
- トレードの本を買いあさり、次々と手法を変える(変えてもなにも変わらない)
- 途中でめんどくさくなり結果を記録しなくなる
- これらをひたすら繰り返す
いやもう、頭の中には億万長者になった自分がいて、いつかそうなれると信じていたんでしょうねぇ・・・。今から思えば病気でしたな(笑)。
ボーナスのたびに追加入金して2年ちょっとスイングトレードにハマってました。たぶん50万以上負けたと思います。
このあたりで次の段階に病気が進行します。
デイトレード
約2年間の投資経験(笑)ですっかり病気にかかってしまった私はついに一線を越えます。デイトレードに手を出してしまいました。
スイングトレードでは数日~2週間くらいで決済していましたが、週末をまたいでの負けが多く、これを私は勝手に「不確定要素の多い週末をまたぐトレードでは勝てない」と手法のせいにすることで現実逃避したのです。
さて、そのデイトレードですが・・・
これまためちゃくちゃおもしろい
んですよ。当時私はまだガラケーでしたので、損益の自動更新は5秒が最短でした。「ガラケーでデイトレード」とか頭おかしいんとちゃうか、と思われるかもしれませんが、重篤なトレード中毒に陥っていた私には関係ありません(笑)。
最初はトイレで携帯を開いてチェックしていましたが、そのうちトレード画面を開いたままにして仕事中にチラ見、会議中にチラ見、ですよ。
さすがに決済するときは「ちょっとお手洗いに」と同僚や上司に断って決済してましたけど(なんの自慢にもなりませんが)、まぁそれはもう、仕事になりませんよね・・・。
しかも当然ながら・・・
勝てませんわ
となりました。やっていたのは以下の通りです。
- デイトレードの本を買いあさって読みまくり、俺もこれで億万長者!とセルフマインドコントロールする
- 仕事さぼってるくせに「俺は優秀だから仕事の合間にトレードでも成功する」と思い込む
- 有料情報商材をいくつも買い、「必勝法」を会得した気になる
- その「必勝法」をいくつも試す(寄り付きエントリー+1分決済、寄り引け、など)
- ひたすら負け続ける
まぁガラケーでトイレで決済して勝てる奴なんていませんよ、マジで。アホか、と。
デイトレードなんで、少額づつ売買するなら一日何回もエントリーできるんですよね(もちろん上限があります)。しかも・・・
信用口座を開いて界王拳3倍を習得して参戦した(笑)
はい、界王拳を習得するとジ・エンド確定フラグが立ちます。急速に資産が減っていきまして、トータルで100万くらい負けたと思います。
もちろんサラリーマンとしての職務を真摯に遂行できたとは言えず、仕事がおろそかになったことは間違いありません。
ごめんなさい、転職して5年目くらいに調子悪かったのはトレードのせいです。いや私のせいです。
さて、ここらへんで自己問答しました。
オレは株には向いてないんじゃね?
そこでFXのスタートとなりました(笑)。
スポンサーリンク
FX
株は日本国内で売買してるだけ。その狭い世界では俺は羽ばたけない。そうだ世界だ為替だFXだ!(笑)
てな感じでFXにシフト。ここまでで100万以上負けてましたが、当時独身だった私にはそこそこ貯金もあったので、ボーナスのたびに入金を繰り返してトレードできちゃったんですよねぇ・・・。
さてFX。さすが国家間の通貨売買。出来高がハンパない(わからんけど)。
こちらも株と同様以下の通り。
- FXの本を買いまくって、チャートの見方やエントリーポイントを勉強する(基本株と同じやん!と悟った気になる)
- ありとあらゆるテクニカル手法を試し、達人になった気になる
- スイング+夜はデイトレ
- やはり決済ポイントがわからずほぼ損切り
- ひたすら負ける
証拠金は25倍でしたので、株より少額でできることもあり、夜はフルレバでデイトレ。これはもうめちゃくちゃ面白い。
FXサイコー!
なにせ明け方までやっているではありませんか。これは昼間忙しいサラリーマンのための投資や!となって寝不足に。
まぁ、これも1年半くらいやってました。私の業界は当時景気が良くてボーナスもそこそこあったので、証拠金が維持できなくなることもなく、続けられちゃったんですよねー。
はい、これも50万くらい負けました。いい加減に気づけよ。
バイナリーFX
FXを初めてしばらくするとバイナリーFXなるものが登場しました。当時GMOクリック証券でよさげなインターフェースで始められるということで、こちらも勉強してからスタート。
バイナリーFXは、一定期間後の為替が上がるか下がるか当てるゲームです。いやほんと、奥が深いという人もいますが私にはただのゲームに見えました。
ゲームなら確率論です。理系出身の私が得意とするところです(笑)。
そこで自ら必殺の手法を編み出しました。以下の通りです。
- 勝率が50%のはずなので、例えば「10分後に円安になっている」方にかけ続ければどこかで必ず勝つ、と考える
- 最初は100円を賭ける、勝てば次も100円
- 負ければ次は200円を賭ける(ここで勝てばトータルで100円のプラス)
- 2回目も負ければ次は400円を賭ける(ここで勝てばやはりトータルで100円のプラス)
- 勝てばリセットで次は100円からスタート
GMOクリック証券では当時最大掛け金が50,000円でしたので、8連敗すれば次に5万円以上賭けなければならないのでそこで終了となります。
1回の勝率が2分の1だとすると、8連敗する確率は「256回に1回」となります。
勝てば100円なので、255回の勝利で得る金額は25,500円ですね(全部一回目で勝ったと想定した場合)。1回8連敗して失う金額は51,100円です。つまり・・・
期待値がマイナス!
なんですよ。いやーバカですわ。理系出身とは思えない。ギャンブルにのめり込むとこうなるんですね~。
ただ、たぶん100回ちょっと勝ったあとに8連敗し、冷静に確率論を展開して気づきました(笑)。
このへんで自分には裁量トレードの才能がないことにうすうす(?)気づき始めましたんで、続いての投資商品に。
システムトレードです。
225先物

先物は出来高が多く、デイもスイングも盛んに行われておりますが、意外と寄り引けシステムトレードも当時はやってました。
私も情報商材をいくつか購入し(トータルでどれくらい突っ込んだか計算したくないです)、寄り引けシストレにハマっていきました(我ながらよくハマっていくもんです、ふぅ)。
なんと、挙句の果てに自分でエクセルを使ってシステムを構築!
しました。過去2年間のダウと日経の相関から、これはイケる!みたいなのを開発(笑)。
実際に運用してみると、これがなんと半年くらいは順調に資産が増えていくではありませんか。
やっていたのは先物ミニで1~3枚で寄り引け運用してました。50万でスタートして半年後にはなんと75万円に。
俺は天才!
本気でそう思いましたね(笑)。
もちろん、そこから怒涛の負けがスタート。所詮エクセルなので原因も不明(単に激しいドローダウン)。理由は全く分からないまま3か月後に元本割れ(50万円)。
サヨナラシステムトレード、それなりに楽しかった(笑)。
これはイカンね。ということで最終兵器の登場です。
225オプション
来ました、私にとっての悪魔です。いまでも取りつかれてます。再開したくて仕方ない(笑)。
これはハマりました。勝率の高さ、多岐にわたる戦略。これこそ私が求めていた投資(投機)だ!と思ったのを覚えています。
たっぷり3年間、どっぷり浸かってましたね。なにせ勝率が高いもんだから、勝利の美酒に酔いしれまくれるんですよ。
月5%が狙えるところがまたそれに拍車をかけます。運が良ければ月10%もいけちゃいます。1年で資産倍増が狙える投資商品です。
オプションの詳しい内容を知りたい方は、こちらをご覧ください。
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第1回:用語説明とオプションの性質
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第2回:第1回のまとめと例
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第3回:スプレッドとショートストラングル
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第4回:証拠金
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第5回:カバードコール
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第6回:スプレッドとショートストラングルの位置関係の例
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第7回:カレンダースプレッド
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第8回:ロングストラドルとショートストラドル
- 初心者でもわかる日経225オプション解説・第9回:必ずヘッジして損失を限定しよう
225オプションは多彩なポジションをとることが可能で、先物と組み合わせることで無限の戦略が生み出せます。極めて面白い投資商品です。
ハマってやっていたことは以下の通りです。
- 書籍は少なかったが225オプションと名の付く本はほぼすべて読んだ
- 数少ない情報商材にも手を出した
- 楽天RSSを組み合わせてエクセルを使った独自のポジション表を作成し、悦に入っていた
- 基本的に1~3週間くらいのスイングなので、仕事に影響はなかった(日経の動きだけチェックすればよかった)
- それなりに勝っていたので、これでオレ様もいっぱしのオプショントレーダーだと思い込んでいた
この3年間は幸せでした(笑)。2013年5月までは。
そして思い知る
225オプションの勝率は非常に高いですが、年に1、2回はある急落でドカンと負けるんですよね。この負けをどう回避するか。これが225オプションの神髄ではないかと思います。
数年に1回レベルの大暴落があると、一発で追証になる可能性があります。
その時がついにやってきました。2013年5月23日です。その時の失敗談がこちら。
これが人生最大の負けです(一発200万)さすがにヘコみましたね。2年ちょっとの間、投資から離れて仕事に没頭してました。
この頃に住宅購入を考え始め、資産管理を始めたんですね。そうしたらなんと、結構な貯金があるではありませんか(注:住宅購入用の頭金と、生活防衛資金です)。
遠ざかっていた投資の虫が再び目覚めて、お試しでFXトルコリラスワップトレードに100万円をを突っ込んで放置。
そして負け。ご存知トルコクーデター(未遂)。
未遂で終わってよかったです、いやマジで。35万円の損失ですみました。
うむ、もうやめよう・・・。
投資再開の出鼻を挫かれてようやく悟りました。私には裁量トレードの才能はないのだと。
考えてみれば「7年間負け続けている」ということは「裁量トレードの才能がないことの客観的証明」にほかならないんですよね。
なんでもっと早く気付かなかったんだろう・・・。
「投機はやめとけ」とは、「負けるからやめろ」ではなく、「面白すぎて引き返せなくなるからやめろ」だそうです(どこかの本にそう書いてありました)。
ほんまその通りや・・・。7年もかかってしもたわ、ワシ(泣)。
ということで裁量トレードからは完全撤退。
住宅購入を機に生まれ変わりました(笑)。
そして積立投資へ

ようやく今ここです。約2年前に注文住宅を購入。その年の秋(2016年秋)に積立投資を開始しました。ストレスフリーで毎週、毎月コツコツと積み立てていっています。
現在の積み立て商品は以下の通りです。
- 投資信託
- One Tap Buy
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 積立FX
- ロボアドバイザーWealthnavi
まぁ積立FXでまたトルコリラにやられて含み損、とかはありますが(笑)、低レバレッジなので気にしないでいきます。
他は概ねプラス推移です。ひふみ投信がすこぶる優秀ですね。アメリカ株も強くてOne Tap Buyは大きく含み益となっています。
積立投資なら「順調」の定義はちょっと変わります。なぜなら積立投資は最後の最後に決済したときにプラスなら「勝ち」、マイナスなら「負け」だからです。
10年以上の投資期間において、年ベースでの含み益の推移など関係ないのです。ましてや月ベースなどまったくもってどうでもよい。
と、考えられるようになるまで10年近くかかりました。長かったなー。
心理面における積立投資のメリットは以下の通りです。
- 毎日することはなく、基本ほったらかし
- 毎日一喜一憂せずに済む
- サラリーマンなら、仕事に打ち込める
サラリーマンにとって、3つ目は大事ですよねー。のめり込んで激しく消耗した私が言うので間違いはありません。
みなさん、サラリーマンは間違いなく積み立てです。コツコツと資産形成していきましょう!
テクニカルな積立投資のメリット・デメリットは以下に詳細にまとめています。
積立投資のバリエーションは多岐に渡ります。米国株なら1,000円から始められるOne Tap Buyがお勧めです。
One Tap Buyの1年間のパフォーマンスは10%越えとかなり優秀。
FXでの積み立て運用も行っています。スワップは下げても損失を軽減!
投資にお悩みの方の参考になれば幸いです。